アルジャーノンに花束を

IQ６０の知的障害者であったシャルルは、知能を向上させる新薬が開発されたとして、その臨床試験の一人目として選ばれる。

シャルルへの臨床試験が行われる前には、動物実験としてアルジャーノンという名前のハツカネズミが同じ薬を投与されていて、アルジャーノンは他のネズミとは比較にならないほどの知能を示すようになっていた。

シャルルも同様に徐々に知能が向上しはじめ、ついにはIQ１８０を越える天才になっていく。さまざまな知識を蓄え、今までは気づいていなかった身の回りのさまざまな現実も理解し始めるようになる。しかし彼の心はまだ未熟なままであった。

知能に追いついていない彼の心は、現実の受け止め方がわからずに、さまざまな葛藤を抱えていく。今までは気付いてすらいなかった両親に捨てられた過去や、初めての恋、、

そして、アルジャーノンの知能は、低下していってしまっていた。